人のために動く
こんにちは、創業支援相談員の加山晴猛です。
皆様は「仕事、働くこと」について考えたことがありますか?
私はこの仕事で、介護職員の方々を対象に「仕事とキャリア開発」についてのセミナー講師をさせていただくことが多々あります。そのセミナーの冒頭で、私は受講者の皆様に『あなたはなぜ「働く」のですか?「働いている」のですか』という質問をするようにしています。
その問いに対して、多くの方が「お金」や「生活」のためと回答されます。
ある意味当然の結果です。人は何らかの報酬を得るために働きます。そして、提供した労働の対価として何らかの報酬を要求するのは当然のことです。
しかし、多くの方が「なぜ働くことによってお金(報酬)が得られるのか」まで思いが及んでいないと感じます。報酬を支払う側からすれば、自分のために他者を動かし、その結果として期待以上の成果や利益が得られたから、その「動き」を評価して対価を払う気になるのです。
いわゆる「顧客の視点」が欠けているのです。
「働」は「人が動く」と書きます。しかし、人が動き回るだけでは「働く」ことにならないのです。
「働く」とは「人のために動くこと」であり、組織の中で働くことは「人と共に、共通目標を実現するために動くこと」です。人のために動き、何らかの便益を相手に提供した事に対する評価結果として報酬を受け取る事ができるのです。その報酬は、お金であったり、昇進や社会的地位の向上であったり、感謝の気持ちや表彰であったりと、様々な形で支払われます。
例えば、家族の生活を維持するために行う家事労働は立派な仕事と考えられます。なぜなら、自分以外の家族のために動くからです。そう考えれば、会社での仕事を理由にして家事や育児を全く顧みない人は、家族という社会組織での役割を放棄した「職務怠慢者」とも考えられます。夫婦が協働して家庭を維持するために動くことは、家族の一員である以上、組織運営上で当然の責務ですから。
一方、一人暮らしの人が自分のために行う家事まで仕事と考える人は少ないでしょう。たとえ作業内容は同じでも、動く目的が違えば評価も変わりますし、他者に何も便益を与えない動きは「仕事」として評価されないのです。
自分の趣味や都合のためだけに動く人に対して快く報酬を支払う人はいませんし、自分の利益のためだけに他人を利用しようと考えている人を信頼する人はいません。
一見当たりのことのように見えますが、実際に働いている現場では多くの人が忘れてしまっているように感じます。そういった人たちは労働の対価を求めることはあっても、自身が提供した労働の質や価値を振り返ることはしません。
多くの企業経営者や管理者の方々も、社員や部下を「労働力として人を効率的に動かす」ことに最大限の関心を払いますが、人材として育て、組織のために動いた人の貢献度を正当に評価する事に対しては無頓着です。
皆様も、今の仕事や事業運営で、「どの程度人のために動いているのか」、「より多くの報酬を得るために、相手により多くの便益を提供するためのどのような工夫・努力をしているのか」を見直してみられてはいかがでしょうか。?
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