こんにちは、創業支援相談員の加山晴猛です。
10月24日より3回シリーズで開催しました「思いを具体化したい人のための創業セミナー」も、11月7日に無事終了することができしました。御参加頂きました皆様、本当に有難うございました。何か不明な点やお気づき点等がありましたら、いつでも当プラザ相談室に気軽に御連絡頂くか、お越し頂ければ幸いです。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
また、当SOHOプラザでは、これからも各種スキルアップセミナーや創業セミナー(上級編)を企画しております。皆様の事業運営に必要な知識取得やスキルアップのため、そして、夢の実現のために是非ご活用下さい。
さて、ビジネスで成功するために個人に必要な要素として、私は「スキルと知識」、「関係特殊資産(または、特殊関係資産)」、「やる気」の3つを向上させることが大切と考えています。それら3つの要素を高めていくことがビジネス成功の源になるからです。当プラザで企画している各種セミナーは、それら3つの要素の1つであるビジネス運営に必要な「知識・スキル」の向上を目的に開催しております。
一方、企業が行う人材開発・育成の現場では、社員の潜在能力を引き出し、「知識・スキル」を身につけさせる教育・訓練を行い、それらを成果として発揮できる能力にまで高めることを重視します。つまり、使える知識、成果を生み出すスキル(発揮能力)を多く持ち、実際の成果に結び付けた人材をより高く評価しようという考え方が定着してきています。これが本来の実力・成果主義の基本的な考え方です。
そのためには、個人の学ぶ意欲や挑戦意欲をいつも高いレベルに維持することが必要になります。つまり、「やる気」がなければ、自己の能力開発や進歩、ビジネスの成功も無いということは御理解いただけると思います。そのために、企業・組織は社員のモチベーションをあげるための「動機付け」の方法をいろいろと模索するのです。
ただ、個人の実力を決める3つの要素のうち、「関係特殊資産」という言葉を御存知の方は少ないのではないかと思います。「関係特殊資産」(relationship-specific asset)とは、経済学用語で「特定の取引を行うために投資した資産で、別の取引への転用が困難なもの」をさします。例えば、場所の特殊性(企業城下町や特定産業集積地のように、お互いに隣接した場所に工場を建てるなど)、物的資産の特殊性(相手の製品の物理的・技術的特性に合わせた製品)、 専用資産(特定製品の専用製造設備)などのことをさします。
また、特定の取引のために身につけなければならない特殊なノウハウなども、「人的資産の特殊性」として、関係特殊資産のひとつに挙げられます。この、「人的資産の特殊性」という資産が、ビジネスで有効に作用することが多々あります。例えば、企業風土や文化、業界の慣習、業界用語など、所属する組織や業界に居るからこそわかることや、経験から学ぶことは今時のビジネスにおいても非常に有益です。いわゆる「勘や経験がモノをいう」世界です。
最近は、規制緩和や仕事の標準化などが進み、ビジネス環境も急速に変化しているとはいえ、かつての日本のビジネス界(といっても20年前ぐらいまで)は、そのほとんどの業種・業界が閉鎖的・排他的でした。現在の自動車産業でみられる企業の系列化や、流通業界に見られる水平・垂直統合(サプライ・チェーンなど)もその典型例の一つです。また、行政機関や規制業種(エネルギー関連、金融関連、建設・土木関連、通信関連など)、長期的な関係を重視する分野・業界では、今でも特殊関係資産が有効に作用します。
また、大きな組織(大企業)で仕事をする場合には、社内の人間関係・ネットワークを構築して円滑なコミュニケーション、協働体制、チームワークを維持するためにも、この特殊関係資産は非常に重要になります。
企業や組織には、それぞれに独自の風土や文化が形成されます。また、社内には様々な人間関係やパワーバランス、歴史的背景が存在しています。それらを無視して仕事を円滑に進めることは非常に困難ですし、それにより発生するコミュニケーション・トラブルの対処に時間を取られて、結局は非効率になってしまいます。
我々コンサルタントや、転職者、外部から登用された経営者・管理者が苦労するのは、この部分が比較的少ない中で仕事をしなければらず、なおかつ成果を上げることを要求されるからに他ならないのです。
職場の雰囲気が沈滞していたり、人間関係がギクシャクして、上司や部下、同僚、他部門とのコミュニケーションがうまくとれないとお悩みの皆様。いまどきの時代には流行らないのかもしれませんが、あえて、社員旅行を復活させたり、呑みニケーション、オフサイトミティングを企画してみるなどして、ヒトとヒトとの繋がりを厚くすることで信頼関係・依存関係を再構築し、共感力を高める機会を創り、社内の関係特殊資産を増やす試みをしてみてはいかがでしょうか。